キッチンカーを利用されたことはあるでしょうか。ここ数年でキッチンカー(フードトラックとも呼ばれます)は増え続けています。
それは競合が増えているということ。多種多様なキッチンカーが生まれる中、いかに自分のお店を魅力的に見せるかが重要です。
成功へのステップ
飲食店の5割以上が2年以内に閉店しています。コロナ渦になり、さらに時短や人数制限などによって経営はますます難しくなっています。
そんな中、キッチンカーに活路を見出し成功しているお店の共通点をご紹介いたします。
1.コンセプトを決める
どういった目的で何を始めたいのか、提供したいメニューなどのイメージを明確にします。
コンセプトが明確でないとキッチンカーのデザインから内装、メニュー、客層へのアピールなどが全てぶれて違和感のあるお店になります。そういった違和感はお客様にも伝わり、お店から離れてしまいます。そういったことを避けるためにもコンセプトの決定はとても重要です。
コンセプトにプラス自分の考えや将来的なビジョンもあると、金融公庫に説明する時にスムーズです。
同時に市場規模や出店場所の状況、人気店のSNSのチェックや客層を調査し、最新の情報を常にチェックしましょう。
2.事業計画書を作る。
日本政策金融公庫から飲食店向け創業の手引き+として、新たに飲食業を始めるために必要な知識や情報をまとめたパンフレットが公開されています。
だれが(従業員は何人でいいのか、雇うのか家族のみか)、だれに(ターゲットにする顧客層を明確に)、何を(顧客層や立地条件などによって、そのようなサービスをするのか)、どのように(どのような販売方法をとるのか)、どこで(顧客層にあった立地の選択)、販売条件(現金を扱うのか、キャッシュレスにするのか)、営業時間(営業する時間帯の検討)を含めた販売計画。
何を(販売戦略にそった材料の確保が可能か)、どこから(材料を安定供給してくれる仕入先の確保)、どんな条件で(現金払いか買掛が出来るか、支払サイトの確認)、計画的に(過剰在庫をせず計画的な仕入)を含めた仕入計画。
設備資金(車両・機材・備品)の総額、またその資金の調達方法(自己資金・親族からの借入・公庫からの借入)、運転資金(材料や商品の仕入、駐車場代や光熱費やガソリン代などの経費支払の資金など)またその資金調達方法を含めた資金計画。
客単価や回転数を試算した売上予測。
創業当初と軌道に乗った後の売上高、原価、経費、利益を含めた支払計画。
そして、返済計画を事業計画書(創業計画書)に記入します。事業計画書に記入した内容が弱い、予想が甘いなどの場合融資を断られる場合があります。理由などは具体的に記載しましょう。
3.資金の調達
自己資金のみで開業できる方は少ないのが現状です。
多くは金融公庫に借り入れるのですが。希望通りに通るとは限りません。様々なケースを考えておくことで資金繰りに慌てずにすみます。その際、事業計画書の提示を求められます。売上見込みが希薄であったり、経費の見積が甘い、事業計画書の完成度が低いなどで融資を断られる場合があります。
具体的な資金計画を出し、いかに開業したいかをアピールしましょう。
開業資金だけでなく運転資金の事も考えて融資を相談しましょう。
4.セミナーの受講・飲食店でアルバイト
飲食店経験は初めてというお客様は結構多いです。
利用したことはあっても実際に働いてみるとでは見える部分が異なります。実際に働くことで接客以外にも立地の選択、仕入の選定、資金管理、複数オーダー時の調理の手順など、学べることがたくさんあります。可能であれば飲食店でアルバイトされることをお勧めいたします。
アルバイト以外にもカフェ開業に向けたセミナーなども多く行われています。カフェセミナー以外にも価格の付け方、経営方法なども学ぶことができます。
情報収集のためにも積極的に参加しましょう。
5.食品衛生責任者の取得
キッチンカーに関わらず飲食店を開くためには、食品衛生責任者が施設ごとに配置が義務付けられています。設備は食品営業専用であることが必要です。(家庭の台所との兼用は認められません。)
食品衛生責任者は主に、施設の衛生管理計画の策定やその運用等、新制度の円滑な施行に向けて、食品衛生責任者の役割を担っています。
食品衛生責任者養成講習会については年に数回実施されています。詳細は各都道府県の案内をご確認ください。
6.車両探し
調理工程によって搭載設備が変わります。新車だけでなく中古車など、コンセプトや開業資金・搭載設備を考慮して車両を探しましょう。
多品目を扱いたい場合、軽バンや軽トラではスペースが無く、積載重量をオーバーする可能性があります。オーバーすると営業許可を取得することが出来ず、営業を始めることが出来ません。
キッチンカー製造が得意な業者であれば最適な車を探しくれます。プロに選定をゆだねるのも一つの方法です。
7.車両デザイン・施工業者の選定
購入した車両がそのまま使えるわけではありません。外装はもちろん、内装は搭載設備に沿っての改造が必要です。
デザインはコンセプトに沿ってイメージしましょう。
車の改造業者でも得意な分野・不得意な分野があります。また原則として営業許可が取れる設備でなくてはなりません。そういた問題に対応できる業者を選びましょう。
弊社では信頼できる実力ある施工業者に、キッチンカー制作を依頼いたしました!
8.什器・備品・厨房機器の選定
キッチンカーに載せられる機器や什器はサイズ選びが重要です。
保健所からの決められた設備の設置のほか、作業スペースの確保などでデッドスペース少なく、作業効率が下がらないことが選定基準になります。
冷蔵庫の奥行が広いと調理スペースは広くなりますが、同時に庫内の奥行もあるため、扉を開けて手を伸ばす必要があり、通路も狭くなるので作業効率が下がります。
スペースが限られる車内ではストックを置くのも難しくなります。いかに空間をうまく使えるかは什器・厨房機器の選定にかかっています。
9.メニュー開発
コンセプトで決めた提供メニューの完成度を高めます。
看板メニューを考える
メニューは多品種あるよりも、看板になる絶対単品があることが強いとされています。種類を多く作る場合も絶対単品を基本として作ります。
さらに食事にドリンクはつきもの。サイドメニューとセットで売ることで一人に対しての単価を上げていきます。
10.仕入先の選定
仕入先と言っても、その形状は様々です。一般の方も利用できるスーパーや商店街などにある八百屋などの商店、会員制や量が多い大型業務用向けスーパー、商品配送や掛け払いができる卸業者、店舗に行かずその場で簡単に注文できるオンラインショップなど販売形態は色々あります。
スーパーや商店は商品が手に取れて数点から購入ができますが、価格は割高です。
大型業務用向けスーパーはまず、会員になる・年会費を払うなどの初期投資が発生します。商品も小分けになっておらず、内容量も多いですが価格が抑えられているため、消費量が多い場合には利用が有効です。また、店舗の大半が市外地にあるため車での買い出しが必須になります。
一般の方の利用はあまりなじみがありませんが、卸業者はカフェやレストラン、小売店が問屋(卸業者)から商品を仕入れる仕組みです。商品を運んでくれる、掛け払いが出来ることなどのメリットがありますが、最低発注数などがあるため利用するにはハードルが高いです。
11.POP・販促・広告
InstagramやFacebook、Twitterなど無料で販促できるツールは活用しましょう。
出店場所の告知や売れ行き状況など発信すると、フォローして下さった方お知らせが届きます。お店側としても個別の販促が必要なく手軽に行えます。それも無料で。
有名店でもSNSの販促はこまめに行っています。そういったフォローの多いお店の発信方法を学びましょう。
お客様の中にはSNSを利用していない方もおられます、そういった方のためにホームページを作るのも有効な対策です。
12.営業許可申請
車両が納車されたら営業場所を管轄する保健所ごとで、車両の食品営業許可を取得する必要があります。その際、食品衛生責任者の証明書が必要になります。必ず事前に食品衛生責任者を取得してください。
保健所ごとで必要な設備、必要書類の様式が異なります。各保険所へのお問い合わせまたはHPを参照ください。
ポイント
付加価値をつける
食材の産地や旬の食材、こだわりなどの付加価値を付けることで集客と客単価のアップを狙いましょう。
同じ料理を提供するお店が並んでいたらどちらを選びますか?価格でしょうか、雰囲気でしょうか。
ただあるだけではお客様は来てはくれません。選びたくなるような価値をつけることで、他店との差別化を図りましょう。
提供スピードがはやい
自慢のメニューでも、提供スピードが遅いとお客様は離れていってしまいます。調理工程が多い場合はキッチンカーでの作業が最低限でできるよう準備をしましょう。
物を取るにも、動かすやよけるなどの動作が無いにこしたことはありません。いかに作業動線、物の配置、調理工程を早くスムーズにすることがスピードアップに繋がります。
経費を抑える
開業資金以外にも、常に運転資金(経費)が掛かってきます。材料費・光熱費・消耗品の補充・出店料・駐車場代・ガソリン代・保険費用などがあげられます。
キッチンカーに光熱費?と思われるかもしれませんが、給水の為の水道代、プロパンガスの購入、発電機用のガソリン代(蓄電式は電気代)などがあげられます。
また、確定申告時に必要になるため売り上げの集計の他、レシート・領収書の管理・保管を行う必要があります。
キッチンカーでも実店舗でも、廃業の理由は運転資金の不足が大きな理由の一つです。