これまでもキッチンカーでエスプレッソマシンを使いたいといお客様お問い合わせやご注文をいただいておりました。
ですが、提案できるのは「タンク式のエスプレッソマシン」に限ったものでした。
また、実店舗であれば電源や水道設備が整っているため、条件さえ満たしていればエスプレッソマシンを設置することは難しい事ではありません。しかしキッチンカーは実店舗と違って多くのの制約があり、水道直結式となるとさらにハードルが上がりました。
それでも、実店舗と同じパフォーマンスを発揮したい。
その一点を追求いたしました。
弊社はエスプレッソマシンやカフェの事はプロですが、車両に関する法規制やキッチンカーにおける保健所対策は不慣れです。というわけで、車両に関する部分を全て任せられるパートナー企業を探すことから始めました。
制約条件
実店舗には無かったキッチンカーならではの制約を解消する必要がありました。
電圧は単相100v
コストやサイズを考慮すると100vの発電機が限界
キッチンカーでは電源を確保する為に発電機を使います。
そのためにエスプレッソマシンも単相100vが基本です。単相200v対応の発電機もありますが、大きくて重いうえにとても高額。スペースが限られるキッチンカーでは場所の確保も難しい・・・。
さらに、電気を使うのはエスプレッソマシンだけではありません。
グラインダーやスケール、電子ケトルに冷凍冷蔵庫。提供メニューが増えればそれだけ電気が必要になります。
これらを外部電源に頼らず、全て自車の発電機で運営できるようにしておかないと、出店場所の確保が難しくなります。
水道設備
一番の悩みどころは水道設備でした。
キッチンカーは水道圧がない
蛇口は基本的に浄水場からポンプ圧力をかけることで配管を伝って水が供給される仕組みになっています。そのため常に水道水には水圧がかかり送り出されています。水圧が無いと水が送り出されず止まってしまいます。
水道直結式マシンにはボイラーに給水する為、水圧が不可欠です。もし水圧が無いと、給水の為のポンプだけが動き、オーバーヒートをおこし壊れてしまいます。
そのため、タンク式エスプレッソマシンしか選択できませんでした。
タンク式はボイラーサイズが小さく(3L以下がほとんど)、スチーム力が弱い、搭載しているポンプもバイブレーションと持続力が乏しい為、繁盛時の連続抽出に耐えられません。タンクへの給水の不可欠です。
しかしキッチンカーは効率が命。
都度タンクへの給水で手が取られては、提供スピードが落ちてしまい客離れにもつながります。少しでも効率を上げるために、水道直結式のマシンが理想です。
実店舗のような水圧があり、なおかつピッチャリンサーも欲しい。
デザイン性と作業スペースの両立
狭い庫内に給水タンクと排水タンク、複数のシンクと蛇口、エスプレッソマシン、グラインダー、冷蔵庫などの厨房機器がぎっしりと並びます。
そのうえで、スタッフの導線の確保も必要になります。
さらに店舗と同じく、内装や外装デザインにもこだわりたい。
当然ながら、少しでも安く仕上げる工夫も必要です。
これら全てを解決するには、当社がプロトタイプとしてのカフェ特化型キッチンカーを作り、そこで培った生きたノウハウをお客様に提供する以外にないと判断しました。
食品営業許可(保健所)
食品営業許可を取るために、基本となる3つの区分があります。
- 給水・廃水タンクの容量が40リットル程度
- 給水・廃水タンクの容量が80リットル程度
- 給水・廃水タンクの容量が200リットル程度
エスプレッソマシン以外にも大量の水消費量が予想される為、取り付けたのは3の200リットルの給水タンクと廃水タンク。
さらには非接触仕様の蛇口と2つのシンク、手洗い用のシンク、換気扇、湯沸かし器など様々な法規があります。
車両総重量(運輸局の許可)
ガソリンが満タンに入った車両本体と、エンジンオイル、バッテーリーなどを足した車両重量+定員一杯まで人が乗った状態に搭載設備を含めた重さです。
改造車としての申請が運輸局に必要です。積載重量が超えていないかなど求められる安全基準があります。規定に沿わない場合、車検を受けることが出来なくなります。
夢が叶えられるパートナー企業を見つける
厳しい制約がある中で、社長が求めた条件は7つありました。
- 車両改造法規と保健所関係の法規のどちらにも精通している
- お客様からの様々な要望に応えられる豊富な知識と確かな技術力がある
- キッチンカーに適した箱付きトラック(新車・中古)を調達できる
- 提携の修理工場が全国にある
- オーナー様の要望に全力でお応えする真心を持っている
- 常に改善と改良の気持ちと仕事に対する謙虚な姿勢がある
- 社長の人間性が信頼できる
そしてようやく見つけました。
大阪府の株式会社ウルトラバンさん
良い会社と巡り合えたと、絶大な信頼を置いています。